4 外部評価委員会の意見

⑴ 業務環境について

 この3か年の佐賀県内の経済動向は、大型の企業倒産は見られたものの、個人消費の緩やかな持ち直しの動きがみられ、総じて緩やかな回復傾向にある。

  このような中、佐賀県信用保証協会(以下「協会」という。)は、国及び県の中小企業対策に即応し、県内中小企業者の資金繰り安定に大きく貢献している。

⑵ 業務運営方針について

 この3か年、各部門において掲げた方針については積極的に取り組まれ、県内中小企業者の育成・発展に大きく貢献されたことは評価できる。反面、数値目標は「保証承諾、保証債務残高、代位弁済、実際回収」において、代位弁済は計画より好結果をもたらしているものの、他の3項目においては、3か年の計画を下回る結果となった。協会の経営基盤の安定、発展のためには、数値目標を達成できなかった要因を十分に検証・分析し、次期中期事業計画に反映させ、数値目標を達成できるよう努力することが重要であると考える。

 

【中期事業計画に掲げられた業務運営方針7項目の個別評価】

① セーフティネット保証制度の適切かつ積極的な取り組み

   セーフティネット保証制度の承諾実績は、認定対象業種減少の影響が大きく低調な推移となった。

 資金の借換需要に対応するため、他制度での借換提案や、金融機関訪問による営業活動の強化に取り組まれたことは評価できるが、結果として借換案件減少の歯止めには至っていない。

   中小企業者の資金繰り状況としては、金融機関の条件変更に重点を置いた対応が継続していることから落ち着いているという見方もあるが、引き続き資金繰り支援は必要であり、今後も積極的に取り組んでいただきたい。

 

② 経営・再生支援及び創業者支援の充実

   経営支援、再生支援及び創業者支援については、関係機関と十分な連携を図るとともに、中小企業支援ネットワーク会議についても、平成24年9月に設置以降、計4回の会議を開催するなど、着実に取り組まれており評価できる。

   経営支援、再生支援及び創業者支援はこれからも重要な部門であり、引き続き積極的に取り組んでいただきたい。

 

③ 保証利用企業者の拡大

   平成24年度から平成26年度にかけて、金融機関との提携商品(7種)の開発、企業へのアンケート調査やダイレクトメールの発送及びメディア等による広報活動、また平成26年度は関係機関との連携強化による保証推進に加え、企業への訪問、面談機会を増加させる等、様々な方法で保証利用企業者の拡大に向けた取り組みは実施しており評価できる。しかし、保証利用企業者の減少に歯止めがかかっておらず、現状の施策を継続しつつ、新たな方策にも取り組んでいただきたい。

 

④ 期中管理の充実・強化

 延滞債務の管理強化として、金融機関訪問による対応方針協議の促進、管理部所管の企業に対する専門家派遣実施及び再生支援協議会関与案件の取扱いを開始し、対象企業の経営改善サポートに取り組んだ結果、延滞債務残高は毎期減少し、また代位弁済の減少にもつながっており評価できる。

   代位弁済の事務についても、事前の関係人調査、面談及び金融機関との調整等を行い、迅速な事務処理に努めた結果、代位弁済平均所要日数・代位弁済支払利息率ともに低減しており評価できる。引き続き期中管理の充実・強化に向け取り組んでいただきたい。

 

⑤ 回収の合理化・効率化

   定期入金先の管理強化として、入金管理表を変更し、より細かい状況把握及び返済の進捗管理に注力したことで定期回収額の増加につながったことは評価できる。また、債権管理上の実益がない案件の管理事務停止、求償権整理を適宜実施され、回収業務の効率化に向けて積極的に取り組まれていることは評価できる。さらに、再生支援については、代位弁済後も事業継続中の企業に対して「求償権消滅保証」を提案され、企業の再生支援に取り組まれている。

   但し、この3か年、回収計画額に対して未達成の状況が続いている点については、その原因を十分に検証する必要がある。

  回収環境は依然として厳しく、特に不動産担保処分による回収は市況の低迷等外的要因を受けやすく、協会の自己努力のみでは増加が困難な面もあるが、より一層の工夫・努力により全体の回収額が増加する余地はあると思われ、引き続き回収の合理化・効率化に向けて取り組んでいただきたい。

 

⑥ コンプライアンス態勢の維持、向上及び情報セキュリティの強化

   コンプライアンスに対する職員の意識を高めるため、コンプライアンスプログラムを実践し、内部監査、監事監査及び個人データの取り扱い点検・監査も定期的に実施できている。また、反社会的勢力等の排除に向けた取り組み強化として、規程の制定、コンプライアンス会議において特記事項登録者の選別方法、ならびに反社会的勢力等の情報収集とリスト作成、及びスクリーニング作業の実施方法等を検討し、コンプライアンス及び反社対応マニュアルの改正を行う等の取り組みも行われている。

   情報セキュリティの強化については、関連諸規程を改正するとともに、平成26年3月の事務所移転時の情報漏えいや書類紛失等の問題発生を防いだ。

   危機管理態勢の強化として、保証協会システムセンター㈱が行うBCP(事業継続計画)の編集会議に参加しBCPの策定作業を行い、平成27年1月に制定し、職員への周知が行われている。

コンプライアンス態勢の維持、向上及び情報セキュリティの強化については、着実に取り組みができており評価できる。非常に重要な項目であり、今後も継続的に取り組んでいただきたい。

 

⑦ 電算部門

   COMMONシステムへの移行については、新旧システムとの差異分析や、移行データの各種テストによる検証作業等、保証協会システムセンター㈱が作成した移行スケジュールに沿って作業を進め、平成27年1月に稼働した。稼働後も大きな障害等は発生しておらず、同システム移行については評価できる。

  今後も検証作業を継続し、同システムの安定運用に努めてもらいたい。

 

⑧ その他間接部門

   専門的知識の習得として、連合会研修への参加や「信用調査検定試験」の職員受験等により人材育成に努めている。また内部規程等の適宜改正により、事務効率化や業務費削減を図られており評価できる。

   今後も継続的に取り組んでいただきたい。

 

⑶ 総括

 中期事業計画も今回で第3次が終了した。第1次から第3次までの間に、中小企業を取り巻く環境や経済・金融情勢は大きく変化しており、協会として取り組むべき項目や課題もそれに合わせて変化している。今回の中期事業計画では、各年度における重点課題への取り組みは評価できる部分が多いが、一方事業実績面では、掲出された項目のうち代位弁済以外の全ての項目が計画未達成と厳しい状況となった。

  経済状況、国の施策や金融機関の経営方針等による外的な要因で数値目標の達成は困難な面はあると思うが、そのような中、未達成理由を詳細に分析し、課題を発見し、それをどのように解決するのか十分に検討した上で次期中期事業計画に反映するようにしていただきたい。計画に基づいた外部評価制度は、計画の策定・実践・検証・自己評価・外部評価意見との体制で行なわれており、数値目標達成についてもその体制を活用し課題を見つけてその解決に向け日々努力することを期待したい。

   本制度の有効活用により、協会の経営基盤の安定、更には今後の発展に繋がることを期待する。


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