1 業務環境
⑴ 地域経済及び中小企業の動向
福岡財務支局佐賀財務事務所の佐賀県内経済情勢報告によると、「県内経済は、持ち直している」とされていま
す。㈱東京商工リサーチ調べの令和4年度の佐賀県企業倒産状況(負債1,000万円以上)によると、倒産件数は23
件、負債総額は25億300万円となりました。件数は2年ぶりに前年度を上回りましたが、昭和46年の集計開始以
来、過去2番目の低水準となりました。負債総額は5年連続で前年度を下回り、集計開始以来4番目に少なくなりま
した。なお、新型コロナウイルス関連倒産は11件発生し、前年度比2件増となりました。
県内企業の動向については、新型コロナウイルス感染症の影響が継続するなか、ウクライナ危機やエネルギー・原
材料などの物価高なども重なり、売上や収益の回復が遅れ業績が悪化している企業も多く、今後の代位弁済の増加が
懸念されます。
⑵ 中小企業向け融資の動向
県内に本店を有する地方銀行及び第二地方銀行の決算短信の中小企業等貸出金残高(令和5年3月末)によると、
地方銀行は1兆3,976億円(前年度比103.2%)、第二地方銀行は1,801億円(同99.9%)となっています。
一方、当協会の保証債務残高(令和5年3月末)は、1,752億円(同89.2%)と保証債務残高の7割強を占める
「佐賀県新型コロナウイルス感染症資金繰り対策資金(令和2年6月12日受付終了)」及び「佐賀県新型コロナウイ
ルス感染症対応資金(令和3年3月31日受付終了)」の元金返済が本格化したことにより、減少基調で推移しまし
た。
⑶ 佐賀県内中小企業の資金繰り状況
コロナ禍の影響の長期化等により依然として厳しい経営環境が続いているなか、コロナ資金利用企業の約9割が元
金返済を開始しており、業況回復が進んでいない企業にとっては厳しい状況が続いていると思われます。
⑷ 佐賀県内中小企業の設備投資動向
福岡財務支局佐賀財務事務所の法人企業景気予測調査によると、令和4年度通期の県内設備投資動向(前年度比増
減率)は、製造業は前年比9.1%の減少見込み、非製造業は同17.5%の増加見込みとされており、全産業では同
2.1%の減少見込みとされています。規模別でみると、中小企業は同29.6%の増加見込みとされてます。
当協会の令和4年度保証承諾における設備資金の金額構成比は19.6%で、前年度から3.5ポイントの増加(令和4
年度設備資金承諾額31億6200万円/対前年度比117.9%)となっています。
⑸ 佐賀県内の雇用情勢
佐賀県主要経済統計速報によると、県内の雇用情勢は、有効求人倍率(就業地別・令和5年2月現在)は1.60倍
で前年同月を0.13ポイント上回り、22か月連続で前年同月を上回っています。