1 業務環境

⑴ 地域経済及び中小企業の動向

 福岡財務支局佐賀財務事務所の佐賀県内経済情勢報告によると、県内経済は「新型コロナウイルス感染症の影響により、持ち直しに向けたテンポが緩やかになっている。」とされています。

 ㈱東京商工リサーチ調べの令和3年度の佐賀県企業倒産状況(負債1,000万円以上)によると、倒産件数は22件、負債総額は27億3,700万円となりました。件数は8年ぶりに30件台を下回り、昭和46年の集計開始以来、過去最少の件数となりました。負債総額は4年連続で前年度を下回り、集計開始以来4番目に少なくなりました。なお、新型コロナウイルス関連倒産は9件発生し、前年度比1件減となりました。

 県内企業の動向については、新型コロナウイルス感染症は拡大と収縮を繰り返しながら長期化し、佐賀県においては令和4年1月27日から3月5日まで「まん延防止等重点措置」を実施すべき区域に指定されるなど経済活動は制限され、飲食業やサービス業などを中心に幅広い業種でコロナウイルス感染症の影響が継続しています。

 

⑵ 中小企業向け融資の動向

 県内に本店を有する地方銀行及び第二地方銀行の決算短信の中小企業等貸出金残高(令和4年3月末)によると、地方銀行は1兆3,539億円(前年度比101.7%)、第二地方銀行は1,804億円(同101.5%)となっています。

 一方、協会の保証債務残高(令和4年3月末)は、1,964億円(同96.5%)となり、減少計画としていたものの、「佐賀県新型コロナウイルス感染症資金繰り対策資金(令和2年6月12日受付終了)」及び「佐賀県新型コロナウイルス感染症対応資金(令和3年3月31日受付終了)」(以下「コロナ資金」という。)の保証承諾や、据置期間を設定しているコロナ資金の返済開始が令和4年度以降となっている企業も多く、保証債務残高の減少は小幅となりました。

 

⑶ 佐賀県内中小企業の資金繰り状況

 コロナ関連の各種支援策で大規模な資金供給が実施され、倒産は歴史的な低水準が続いていますが、コロナ禍で経営環境が厳しい状況は続いており、業況回復の遅れている企業などは過剰債務に直面しており、今後の影響が懸念されます。

 

⑷ 佐賀県内中小企業の設備投資動向

 福岡財務支局佐賀財務事務所の法人企業景気予測調査によると、令和3年度通期の県内設備投資動向(前年度比増減率)は、製造業は前年比6.5%の減少見込み、非製造業は同16.3%の増加見込みとされており、全産業では同1.3%の減少見込みとされています。規模別でみると、中小企業は同1.7%の減少見込みとされています。

 協会の令和3年度保証承諾における設備資金の金額構成比は16.1%で、前年度から15.1ポイントの増加(令和3年度設備資金承諾額26億8200万円/対前年度比151.4%)となっています。これは、前年度に対応したコロナ資金の運転資金の割合が多かったためで、例年の水準に戻っていることが窺えます。

 

⑸ 佐賀県内の雇用情勢

 佐賀県主要経済統計速報によると、県内の雇用情勢は、有効求人倍率(就業地別・令和4年2月現在)は1.48倍で前年同月を0.23ポイント上回り、10か月連続で前年同月を上回りました。

 

 

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