平成31年度経営計画

1 業務環境  

⑴ 佐賀県の景気動向

   我が国経済は、内閣府の「月例経済報告」によると「景気は、緩やかに回復している。先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の先行きなど海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある。」とされています。

   一方、県内経済の動向は、佐賀財務事務所の「佐賀県内経済情勢報告」によると「県内経済は、回復しつつある。個人消費は緩やかに回復しつつあるほか、生産活動は回復しつつあり、雇用情勢は改善している。」とされています。先行きについては、「雇用環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、景気回復に向かうことが期待されています。ただし、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、海外経済の不確実性などに留意する必要がある。」とされています。

⑵ 中小企業を取り巻く環境

   県内の中小企業は、佐賀財務事務所の「法人企業景気予測調査」の企業の景況判断によると、平成30年は年間を通して「下降」で推移し、31年4月期から「上昇」に転じる見通しです。

   さらに、30年度通期の企業収益は「増収・減益」見込み、設備投資は「増加」見込み、従業員数は「不足気味」が継続した見通しとなっています。

   また、県内の金融情勢は、佐賀県の「佐賀県主要経済統計速報」によると、30年の県内金融機関貸出残高は前年と比較して微増となっています。同年の県内企業倒産(負債金額1,000万円以上)は、件数は2年連続で30件台、負債総額は3年ぶりに50億円割れと低水準を保っています。金融円滑化法終了後も佐賀県信用保証協会(以下「当協会」という。)の利用企業者の中で返済条件の緩和を継続している企業は減少傾向にあるものの、一方では経営改善が立ち遅れている企業もあり、今後の動向に注視する状況は続いています。 

2 業務運営方針

⑴ 保証部門

① 中小企業の多様なニーズやライフステージに応じた政策保証や経営者保証を不要とする保証推進に取り組みます。

② 金融機関との連携体制を構築し、適切なリスクシェアに取り組んでいくとともに、資金調達に不安を抱える中小企業に対して、金融機関を紹介する取り組みを推進します。

⑵ 経営支援部門

① 営支援部門の組織体制を拡充し、中小企業の経営改善・生産性向上に取り組みます。

② 関係機関と承継支援策について情報交換を行うとともに、専門家派遣事業を活用した取り組みを行います。また、国や県の事業承継資金を活用し、事業承継に係る資金繰り支援に取り組みます

⑶ 期中管理部門

   金融機関等との連携により、保証後の延滞先及び事故報告先等の経営状況の把握に努め、期中支援の早期着手を図ります。また、必要に応じて中小企業支援機関等を活用し、幅広い支援策を提供できる期中支援に取り組みます。

⑷ 回収部門

有担保求償権の減少や無保証人求償権の増加等により、求償権の回収環境は厳しいものとなっています。このような中、求償権回収を効果的効率的に行うため、管理コストを考慮した対応や関係人の実情を踏まえた細やかな対応を行っていきます。

   また、経営者の再チャレンジの目線を取り入れた対応にも取り組むこととします。


⑸ その他間接部門

当協会の公共性と社会的責任の重さを常に認識し、健全な業務運営を通じて当協会への信頼を確立するため、運営基盤の安定化及び情報発信に取り組みます。

 

 主な重点課題は、以下のとおりです。

 

⑴ 中小企業・小規模事業者のニーズにあった保証の推進

   中小企業者等が置かれている経営環境に即した多様なニーズやライフステージに応じた資金需要に迅速・的確に対応するため、各種政策保証を周知し金融機関と連携を図りながら金融支援を行います。また、経営者保証を不要とする保証や経営者保証ガイドライン等に基づいた適切な対応を行います。

⑵ 中小企業の成長・発展に向けた金融機関との連携強化

   中小企業の安定的な資金調達を支援し、成長・発展を促すため、金融機関との勉強会を通じた適切なリスク分担の認識共有に努め、企業のライフステージに応じてプロパー融資と保証付融資の適切なリスクシェアに取り組んでいきます。また、金融機関と引き続き対話を行い連携体制の構築を行うとともに、資金調達に不安を抱える中小企業・小規模事業者に対しては、金融機関を紹介する取り組みを推進します。

⑶ 保証利用の維持・拡大

   積極的な広報活動等により新規及び再利用先の保証推進を図るとともに、保証制度の見直しや金融機関との提携保証の開発を行い、保証利用の維持・拡大に取り組みます。

 

⑷ 経営支援部門の強化

   経営支援部門の組織体制を拡充するとともに経営支援業務を強化し、中小企業の経営改善・生産性向上を一層進めていきます。

また、返済条件の緩和をしている中小企業の正常化支援や資金繰り支援等を積極的に行います。

 


⑸ 事業承継支援の拡充

   佐賀県事業引継ぎ支援センターや関係機関と承継支援策について情報交換を行うとともに、後継者塾の開催や専門家派遣事業を活用した取り組みを行います。また、国の事業承継保証や県制度で拡充された事業承継資金を活用し、事業承継に係る資金繰り支援に努めます。

 

⑹ 初期延滞先への早期着手

   初期延滞先(延滞3回未満)に対して金融機関ヒアリング及び必要に応じ企業面談等を実施し、業況把握と延滞解消に向けた協議を行います。


⑺   事故報告先に対する支援策の検討・導入 

条件変更先の返済増額予定時または最終期限一括返済予定時等の3か月前から金融機関ヒアリング及び必要に応じ企業面談等を実施し、業況把握と支援策を含

めた方針協議を行います。

   ② 新規事故報告受付先に対して、速やかに金融機関ヒアリング及び必要に応じ企業面談等を実施し、業況把握と支援策を含めた方針協議を行います。

 

⑻ 求償権への基本的な対応

① 初動を徹底し、代位弁済初年度~3年度の回収に注力します。

②  未入金先に対する交渉を促進し、入金件数・金額の増加を図ります。

⑼ 定期弁済を継続している求償権への対応

  ① 損害金減額免除及び一部弁済による保証債務免除等を提案し、早期回収を図ります。

   ② 求償権消滅保証を活用し、金融の再調達支援を図ります。

⑽ 回収見込みがない求償権への対応

  回収見込みの早期見極めを行い、回収見込みがないと判断した場合は速やかに管理事務停止を実施し、求償権整理を進めます。

⑾ コンプライアンス態勢の充実

① コンプライアンス・プログラムを着実に実施し、コンプライアンスに対する意識の浸透を図ります。

警察及び各種関係機関と連携、反社会的勢力等の情報収集やスクリーニング作業を実施し、反社会的勢力等の排除に向けて取り組みます。

 

⑿ 人づくり及び健康な職場づくり

  ① 研修等の充実、地元大学等への講師派遣により、職員の専門的知識の習得と各種能力の向上に努めます。

   ② ワークライフバランスの推進、年間健康推進計画を着実に実施し、休職者等の未然防止に努めます。

⒀ 広報活動の充実

   当協会の活動や取り組みを幅広く発信し知名度をアップするため、HPや広報誌等の充実に努め、従来からの広報媒体等の見直しに取り組みます。

 

⒁ 地方創生等への貢献に努めるための取り組みの推進

  ① 創業等の各種セミナーへの講師派遣、将来の地域経済を担う地元大学生を対象に金融・キャリア教育支援に取り組みます。

  ② 各種団体・機関等と連携し、地域の課題に対応した保証制度の提供や見直しに努めます。

3 保証承諾等の見通し

  平成31年度の保証承諾等の主要業務数値(見通し)は、以下のとおりです。

 

 

 項目

金額

前年度計画比 

 保証承諾  255億円 106.3%
 保証債務残高  780億円  101.3%
 代位弁済  9億円  112.5%
 回収

 7億円

 93.3%

 

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