1 業務環境
⑴ 地域経済及び中小企業の動向
福岡財務支局佐賀財務事務所の佐賀県内経済情勢報告によると、「個人消費は持ち直しているほか、生産活動は持ち直しており、雇用情勢は改善しており、県内経済は、緩やかに回復しつつある。先行きについては、雇用環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに景気回復に向かうことが期待される。ただし、海外経済の不確実性などに留意する必要がある。」とされています。
平成29年度の県内企業整理倒産(負債1,000万円以上)は、㈱東京商工リサーチの調べによると、倒産件数は34件、負債総額は65億400万円となり、件数は平成に入り2番目に少なく、負債総額は負債30億円を超える大型倒産が3年振りに発生したものの、平成に入り6番目の低水準となっています。
⑵ 中小企業向け融資の動向
県内に本店を有する地方銀行及び第二地方銀行の中小企業等貸出金残高(平成30年3月末)によると、地方銀行1兆1,871億円(前年度比106.5%)、第二地方銀行1,542億円(同103.3%)といずれも増加しています。
一方、当協会の保証債務残高(平成30年3月末)は、788億円(同96.2%)となり、低金利下での保証料の割高感や金融機関の事業性評価によるプロパー融資等の増加により保証承諾が伸び悩む中、企業の業績好調等による繰上げ償還や金融機関のプロパー借換もあり減少しました。
⑶ 佐賀県内中小企業の資金繰り状況
金融機関が中小企業等からの返済緩和申請に対する柔軟な姿勢の継続に加え、中小企業向け融資を積極的に行っていること、また倒産件数の推移からも、県内中小企業の資金繰り状況は小康状態にあると思われます。
⑷ 佐賀県内中小企業の設備投資動向
福岡財務支局佐賀財務事務所の法人企業景気予測調査によると、平成29年度通期の県内設備投資動向(金額ベース 前年同期比増減率)は、製造業は前年比1.0%の減少、非製造業は同6.2%の減少とされており、全産業では同2.7%の減少見込みとされています。規模別でみると、大企業、中小企業は減少、中堅企業は増加見込みとされています。
平成29年度保証承諾における設備資金の金額構成比は15.2%で、前年度から1.9ポイントの減少となりました。
⑸ 佐賀県内の雇用情勢
佐賀県主要経済統計速報によると、県内の雇用情勢は、有効求人倍率(就業地別)(平成30年2月現在)が1.54倍となり36か月連続で前年同月を上回っています。有効求人倍率は、引き続き上昇傾向にあり、雇用環境は、正社員の有効求人倍率が高水準を維持していることなどから、良い状況が続いています。